専門学校の卒業式にて

もう専門学校の講師をやり始めて20年を越え・・・毎年3月にむかえる“卒業式”という儀式が、こんなにも自分の中で変化をしていったのに、正直びっくりするほどである。それは、そもそも儀式的な堅苦しいことは好きじゃないのと、たった2年間の専門学校の学生生活だけれども、そのあとの業界に入ってからが勝負だし、そこでまた生徒達には会えればいいや、、、との思いから、20代の後半から30代の半ばまで、いっさい“卒業式”なるものには出席を断っていた。逆に、これは今でも気持ちは同じだが、“入学式”は可能なだけなるだけ出席するようにはしている。なんせ・・希望や夢にあふれている入学生を見ているだけで、こちらも幸せに、また元気をもらえるもので、なんたって気分がすこぶる気持ちいい。
そうして出席していなかった“卒業式”に30代半ばから、ポツポツ出席するようになり、今ではスケジュールが許す限り行くようにしている。それは、長年講師をしていると・・・卒業式を最後にやはり会えなくなる生徒達のほうが圧倒的に多いし、のちに・・・・・若くして亡くなった、などと聞くようなものなら、卒業式で少しでも話したかったな、、、と後悔したことが何度もあったりしたからである。
というか、もっと単純に、2年間一緒に作品を作ったり、一緒に笑ったり、悩み事を聞いたり・・・そんな生徒達と少しでも、“卒業式”のほんの2時間でも一緒の時間を過ごしていたいから、と思ったりするようになったからかもしれない。
それが、40代真ん中を越えて・・・そういった思いを通り越して、また“卒業式”に行きたくない気持ちが強くなってきたのである。それは・・・・泣いちゃうから。そして、生徒達と別れるのが悲しい、哀しい、っていうか辛い。。。ホント、人は年を取ると泣きやすくなるって云うけれども、本当に本当のことだなぁって思わされてしまう--------。映画観ても、よほどのことでも・・・泣くことなんかなかったのに、最近は・・どうってことのないシーン、どうってことのないセリフで、涙がこぼれることが本当に多い。。。
幸い・・・体も丈夫で、時たま・・扁桃腺は腫らすけど、病気一つなく、かつほぼ「年とったなぁ」と嘆くことも、実感もなく楽しく、幸せに過ごしている毎日だけれど、この“卒業式”のシーズンだけは、めっきり自分がふけこんだ気分になってしまう。。。そうか! こういった気分(自分が年取ったと思わされる気分)にさせられるから、再び“卒業式”が苦手になってるんだな、、、と再認識。
今週、卒業式がいくつか重なった週で業務もそこそこになってしまった週でしたが、来週からは再び、通常業務にしっかりと戻って頑張りたいと思うところです。M.T
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